今月のちょっと読みたい本

「悩まない」(超「往生」論)
ひろさちや著
最近、ひろさちやの本を読み漁るのが、マイブームです。
気持ちが楽になる本です。いろんなことに悩んで答えが出ない人にお勧めです。
○そもそも「勝ち組」「負け組」など、幻想にすぎません。
○正しいと思うことを押し付けてはいけません。小さい悪は見逃してあげましょう。
○相手の欠点を指摘しても、何の意味がありません。せいぜい自分が優位にたったような気持ちになるだけで、自分の傲慢さを助長しているようなものです。
○「いつまでも若いままでいたい」という価値観など捨てましょう。
○あなたは、病気も叩きのめす敵だと考えていませんか。
○「生きる権利」なんて考えない。「生かしていただいています」がいいのです。
お釈迦様の言葉を引用しています。
「過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに捨てられた、未来はまだやってこない。ただ、今日なすべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあることを知らん。」
うーん。名言です。無宗教者の私にとっての福音書のようなものです。

「B型自分の説明書」Jamais Jamais著 文芸社

血液型の本は、占い本のようにうさん臭いのが多いのですが、この本は笑えます。
Amazon.co.jp ランキングでは、「B型 自分の解説書」(2007年9月発売)が28位、A型(2008年4月発売)42位、AB型(2008年6月発売)5位と軒並みランクインしています。
「B型の自分解説書」は昨年9月に発行され、増版を重ね現在19版です。
B型が一番人気があるようです。B型の人が買っているのか、B型の興味ある人が買っているのか、定かではありませんが、後者のような気がします。
「くだらないことに一生懸命」「部屋には自分しか理解できない趣味のモノがある」「自分ルールがある」「欠点を指摘されて一応は悩んでみるけど、直す気はさらさらない」「筆記試験のとき、見直しをするけど途中で飽きる」B型の人ごめんなさい。笑ってしまいました。

「蟹工船・党生活者」小林 多喜二著 新潮文庫

皆さんはこの本を中学生や高校生の時、読んだと思います。
プロレタリアート文学の特有の暗さというか重たさをもった作品です。
何と今、この本が売れているようです。先日、フジテレビの「めざましテレビ」で特集していました。Amazonでは、29位にランクされています。
私も読んでみようかな思います。

「夢をかなえるゾウ」水野敬也著 飛鳥新社

GWにゆっくり読んでみようと思った本です。かなり面白そうです。
著者のコメントがAmazonに掲載されていました。
「成功法則書を読んでも人が成功しないのはなぜか?」世の中にはこんなに多くの成功法則書、ビジネス書があふれているのに、成功者が増えたという話は聞いたことがありません。なぜだろう? ずっと感じていた疑問でした。そしてこの疑問に対する1つの解答を用意したのが本書です。主人公は「人生を変えよう」として何かを始めるけど全部三日坊主に終わってしまうサラリーマン。しかし、ある日突然、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な生き物が現れます。成功を願う普通のサラリーマンとぐうたら神様ガネーシャ。この二人が「成功するためにはどうしたらいいか?」「そもそも成功とは?」自己啓発書のメインテーマを、従来とは少し違った形(具体的に言うと、慢才です)で深めていきます。

「できる大人のモノの言い方」話題の達人倶楽部編  青春出版社

新入社員や会話の下手な若い社員、特にコミュニケーション能力を問われる営業マンにお勧めの一冊。自分の部下に買ってあげるのもいいかもしれません。
231ページありますが、500円とお買い得です。
以下引用です。
仕事で差がつく初対面のフレーズ
 ・お会いできて、うれしく思います。
 ・これをご縁に、今後ともよろしくお願いいたします。
 ・お見知りおきください。
 ・よろしくお引き回しください。
 ・ほんの駆け出しですが、よろしく御指導ください。

「親の品格」坂東眞理子著  PHP新書

大ベストセラーを記録した「女性の品格」の次が「親の品格」です。前作は、対岸の火事のごとく、冷静に読んだのですが、この「親の品格」は頭を抱えながら読みました。
「約束は守る」「差別をしない」「けっしてごまかさい」等耳が痛い話ばかりでした。
でもこれって「親の品格」というより、「人間の品格」かもしれません。
やっぱり、「この親にしてこの子あり」なのでしょうか。「とんびが鷹を生む」でしょうか。
この本は自分の子供だけの関係を述べているわけではありません。
「自分のためにこれだけ手厚く尽くしてくれる人は親以外いません。ぜひ親が自分にしてくれたことを思い返し、感謝し、感謝を形で表す努力をしましょう」
この本を読んで「子にすることを親にせよ」ということわざを思い出しました。
久しぶりに母に電話してみようと思います。

「天璋院篤姫(上・下)」宮尾 登美子著 講談社

幕末の激動の時代に、薩摩藩主島津斉彬の養女となり、 第13代将軍徳川家定に嫁いだ篤姫の話です。宮尾 登美子が、篤姫の運命に翻弄されながらも自分の人生をひたむきに生きる半生を描いています。1月からのHNK大河ドラマで「篤姫」が放送されています。
毎週欠かさず観ています。

「スタバではグレンデを買え!」価格と生活の経済学吉本佳生著 ダイヤモンド社

この本は、「100円ショップの安さの秘密は何か?」「テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?」「大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?」などの疑問を、コストと売価の関係で分かりやすく説明しています。
参考になったのは、「スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?」と「携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?」の項目でした。特に後者は必読です。
複雑な料金設定は企業の建前として、多様な消費者ニーズに答えるためなのですが、一部の人を除いた多くの人は、高い料金を知らないうちに支払わされているのです。
料金体系と自分も携帯の使用状況を定期的にチェックして、その都度、自分にあった料金プランに変更している人はお得かもしれません。
私もそうですが、ほとんどの人は、買った時に勧められた料金プランをそのまま使用しているのではないかと思います。複雑すぎて自分ではどれがいいか判断がつきません。変更しようかなと思いつつ、面倒になり、ついついそのまま放置してしまいます。そういう意味では、私は賢い消費者ではないかもしれません。
気になる方は携帯ショップへ今すぐダッシュ!

「真田太平記(1〜12巻)」池波正太郎著 新潮文庫 

10月は寒くもなく、暑くもなく過ごしやすい季節です。読書の秋です。
昨年暮れから今年にかけて、北方版「水滸伝」19巻を読破しました。
今マイブームなのが、「真田太平記」です。真田家は武田信玄死後、周りを上杉家・北条家・徳川家に囲まれ攻撃されながらも、激動の時代を生き延びました。関が原の合戦で、真田昌幸(父)・幸村(次男)と、真田信幸(長男)が分かれて戦いました。
父子分かれて戦うことは、家を守ることと自分の信念を貫くこととの板ばさみで、まさに苦渋の選択だったと思います。
先の総裁選で、小泉氏を総裁候補に推しながら、本人が固辞すると、一転、福田支持に回る自民党議員の信念は、いったい何なのだ、と感じてしまいます。

「40歳からのバカになれる脳の鍛え方」高田明和著 講談社+α新書

連日、謹慎中の横綱・朝青龍の病気療養について報道がされています。
「うつの一歩手前」ということですが、個人的には、マスコミが騒ぎすぎではないかと思います。「強いものを叩く」というのがマスコミの使命なんでしょうか。
でも一番強いのが、日本人力士ならばここまでは騒がないと思います。
国技を盾に、正義感を振りかざす報道は不愉快極まりないです。

さて、今月ご紹介するこの本は、「うつ」と「感情(怒り)」と「考え方」について関係を研究した本です。
ゆがめられた考え方は感情をゆがめます。ゆがめられた考え方の一つに、「べき」の考え方があります。「自分も相手によくしたのだから、相手も自分の気持ちをくむべきだ」という考え方です。」
私たちは自分の価値観を他者に強制しているわけです。
それがストレスを生み、やがて「うつ状態」になっていくのです。
そのほかゆがんだ考え方に「白黒の考え」「一般化」「メンタル・フィルター」「結論を急ぐ」「拡大化・わい小化」「ラベル化」などがあります。
最近イライラしている人はお勧めの一冊です。
この本で自己分析をしてみてはいかがですか。

「楊令伝」北方謙三著 集英社

昨年暮れから、今年の前半にかけて、北方版「水滸伝」19巻読破しました。
最初は毎月1冊ずつ発売になる文庫本を読んでいました。途中から我慢できず、既に出ている単行本で全部読んでしまいました。
マンガ以外でこんな長いものを読んだのは初めてです。
「水滸伝」は腐敗した宋の国を倒すために、立ち上がった志ある者たち(梁山泊軍)の生き様、死に様を描いたものです。最後、梁山泊は陥落します。
その続編の「楊令伝」は梁山泊軍の残党による国との戦いを描いています。
志に生き、死を省みない姿勢は、あまりにも美しく哀しい。
一日一日を一生懸命生きることの大切さを学びました。
働く気力をなくしている若者にぜひ読んでもらいたいものです。

「 商人道『江戸しぐさ』の知恵袋 」 越川  禮子著 講談社α新書

最近「女性の品格」という本がベストセラーになっています。
電車で化粧をしている女性には、読んでもらいたいものです。

今回ご紹介するのは「江戸しぐさ」です。
「江戸しぐさ」の例
@肩引き
人とぶつからないように右腕を後ろに引き、胸と胸をお向かいあわせる形で通り過ぎる
Aうかつ
あやまり人ごみで足を踏んだととき、踏まれたほうも「こちらこそ、うっかりいたしまして」といって謝る。
Bこぶし腰浮かせ
バスや電車であとから乗ってくる人のために、こぶしひとつ浮かせて席をつくること
(注)ただし、よく電車の光景でみるのが、年配の女性が数人、電車にどかどか乗り込んできて、目ざとく空席をみつけ、先に座った女性が「ここ空いてるわよ」と腰を浮かせて無理やり席を作るのは、断じて違います!

「江戸しぐさ」は、単なる礼儀作法ではなく、生まれたことに感謝し、相手を人間として尊重し、思いやる心が根底にあります。
「べからず講」の例
@見て分かることはいうべからず
A忙しいというべからず
Bみだりに人を紹介すべからず
Cいっても役立たずの言葉は口にすべからず
うーん。なかなか難しい。日々勉強です。

「ロング・グットバイ(長いお別れ)」レイモンドチャンドラー著 村上春樹訳  早川書房

前から話題だった村上版「ロング・グットバイ 」がついに刊行になりました。
今年3月に出て評判はいいようです。私もすぐ買い求めました。あとがきも入れると600ページ弱あるので、読むには気合が必要です。
買った時からGWに読もうと決めていました。 村上氏はあの有名な「さよならはわずかの間死ぬことだ」のフレーズは何と訳すのでしょうか。

「仕事ができない人は話も長い」宋 文洲著 日経BP企画

著者はソフトブレーン社を設立し、東証一部上場を果たしました。その彼のメールマガジンをまとめたのが本書です。
表題の意味は、
「相手の立場で考えれば話も文章も自然と短くなるんです」とのことです。堀江氏のことも言及しており、ニッポン放送の経営権問題でフジテレビに勝利した当時に、メールマガジンで、以下のような警告を発していました。
「正直いって私は堀江さんの考え方に賛成できないところが多い。株の取得方法は法的に問題ないが、公明正大とは言えない。株価はとても大事だが、時価総額依存の経営はどうしても納得できない。金で買えないものがたくさんあることを、数年後の彼は自ら悟るに違いない」
「やっぱり変だよ日本の営業」という本も出版されています。ご興味がある人はぜひ一読をお勧めいたしま
す。

「華麗なる一族」 山崎豊子著  新潮文庫 

これは高度成長時代の金融再編に生き残りをかける万表財閥の物語です。
本は買ったのですが、まだ読んでいません。
移動中にでも少しずつ読みたいと思います。
ドラマのほうは日曜夜9時に放映されています。
木村拓哉、北大路欣也、西田敏行、津川雅彦等そうそうたるメンツです。
NHK大河ドラマ並です。
昭和40年前後の日本の町並みを再現するため、
上海でロケをやったようです。まるで映画のような壮大な仕掛けになっています。
阪神銀行頭取役の北大路欣也の存在感は見事です。

「水滸伝」北方謙三著  集英社文庫

40歳過ぎてから、歴史小説を読むようになりました。司馬遼太郎の「新撰組」
から始まり「竜馬がゆく」「関が原」「太閤記」「功名が辻」「国盗り物語」と、
トウモロコシをかじるように読破しました。
昨年は吉川栄治の「三国志」に、はまりました。
今マイブームなのが、昨年10月に文庫版刊行開始した北方版「水滸伝」です。
この本は19巻まであり、毎月一冊ずつ配本になります。最終的に読み終わる
のは、来年春あたりです。
北方氏の魅力は、本の中から手が出てきて、読者の首根っこを乱暴につかん
で、北方ワールドに引き込みます。このワイルドさがたまらなく快感なのです。
「生きることの意味」、「志とは何か」を考えさせられます。

「鏡の法則」野口嘉則 総合法令

昨年5月発売で60万部突破のベストセラー。本の帯に、この本を読むと涙
がでてくるという紹介文がありました。胡散臭いなーと思いながら読んだら、
私も不覚にも涙がでてしまいました。流れ落ちるほどではないけれど、こみ
上げてくるものはありました。本を読んで泣いたのは何年ぶりでしょうか。
濡れたコートを脱ぎ捨てたような気分になりました。
部屋で一人静かに読んでみてください。30分で読めます。

「他諺の空似(たげんのそらに)」米原万里著 公文社

この本は今年6月にがんで他界した米原万里さんの遺作で、世界中の諺を
取り上げています。同じ内容なのに国によって言い方が違うのが面白いです。

『一難去ってまた一難』
○小難を逃れて大難に遭う(日本)
○不幸は単独で来ない(イギリス)
○木から落ちて牛に突かれる(スリランカ)
○サソリを恐れて逃げ、毒蛇の口に落ちる(インド)
○象から逃れてトラに出会い、トラから逃れてワニに出会う(ラオス)
私にとって今年はこんな年でした。
それは「自業自得」でもあり、「身からでた錆び」かもしれません。
でも「禍福は糾える縄のごとし」(何が幸いし、何が災いするかは分からないも
ので幸福と不幸はより合わせの一本の縄のように表裏をなしてめまぐるしく変
化するもの)「3月の風と4月の雨で5月に花が咲く」(イギリス)、「嵐の数ほど
凪もある」(バングラデッシュ)といいますので、くさらずがんばりたいと思いま
す。

「三国志」(1〜8巻)吉川英治著 講談社

読書週間です。秋の夜長は読書がおすすめです。
最近、歴史小説の金字塔「三国志」を読みました。
いつも本屋さんでこの本を手に取るたび、あまりの長さ(8巻4000ページ)に圧倒されて、買うのを躊躇していました。しかし、実際買って読み始めると、面白いではありませんか。
この本は、展開がジェットコースターのようにめまぐるしく変わり飽きません。
吉川氏の魂のこもった文章が、加速度的に熱を帯びてきます。
物語は、前半は曹操、後半は孔明を軸に展開していきます。
個人的には劉備と兄弟の契りを結んだ関羽に男の仁義を感じました。
「三顧の礼」「水魚の交わり」「天下三分の計」「漁夫の利」のエピソード満載です。

「『働く過剰』(大人のための若者読本)」玄田有史著 NTT出版

の本は10〜20代の子をもつ親や若者を多く雇用している企業の担当者にお勧めです。
あとがきで筆者はこう述べています。

『本書はニートが単なる甘えた存在であるとか、親が贅沢をさせているため働かないのだ、といった社会に根強く存在する誤解や偏見を、ほんの少しでも修正することができたとすればこの上なく嬉しい。
そんな現代の若者に共通する生きづらさを生み出した背景には何があったのだろうか。そこには社会から若者に対して要求される即戦力志向や個性重視の風潮、さらにはコミュニケーション能力というプレッシャーがあった。
これらは、いずれも大人の都合で生まれた概念であり、その背後にある社会における育成の放棄が若者を追い込んでいった。その結果として起こったのが、ニートのような将来の希望を失った若年無業者の増加と、一方で長時間労働などによる正社員の極度の疲弊だったのだ。』


 私も20年前フリーターの時代がありました。その時は「ぷー太郎」と呼ばれていました。私の場合は、やりたいことはあるけれど、その方法論がわかりませんでした。しかし、社会全体が私のようなはみ出し者でも受け入れてもらえる大らかな時代でした。今自分が20代ならば、今と同じような人生は選択できなかったろうなと思います。ニート・フリーター問題は個人だけの問題だけの話ではないと思います。

『なぜ、「できる人」は「できない人」を育てられないのか』 吉田典生著 日本実業出版社

名選手、名監督にあらず。企業でも仕事ができる人は、必ずしも指導者とし
て優秀な管理者、経営者とは限りません。この本は「できる人」の陥る罠を
3つに分類しています。
@抜きん出た能力でがんばりすぎる罠
・高い能力を持つ人の孤軍奮闘が組織を蝕む
・頑張る人への依存体質が風土になっていく
A成功体験に基づく信念の罠
・自分のシナリオをできない人に押し付ける
・自分のスピードを相手に求める
・スピードが遅いやつは怠慢という思い込み
・仕事一筋こそ生きる道という思い込み
B高い常識がもたらす非常識の罠
・こんな簡単なこと、できて当たり前といった誤った前提
・こうして学んだという、自分の記憶がアダになる


仕事のできる人、部下の育成で悩んでいる人、必見の本です。
いますぐ本屋さんへ駆け込んでください。

「オトナ語の謎」糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞編 新潮文庫

先日、とある会合に出席しました。その時コンサルタントが「ブレイクスルー」や「プライオリティ」「グロス」など、横文字を得意げに連発していました。
MXテレビで石原都知事の定例記者会見で、記者が「オリンピックの誘致問題で(中略)クラスターはどう考えますか?」と質問していたので、都知事はすかさず「クラスターって、何だ!日本人なんだから日本語で言ってくれ!」と注意していました。皆さんできるだけ日本語を使いましょう。
今回紹介する本は社会人が使う独特な言い方を特集した本です。
いくつか引用します。

「二ヤリーイコール」→ほとんど同じ
「ウエルカムです」→歓迎します
「ブレイクスルー」→こう着状態を打破すること
「バッファ」→ある程度どの役割にも使える領域のこと
「オーソライズ」→公認してもらう
「プライオリティ」→優先順位
「エクスキューズする」→いいわけをする
「アサインしておく」→予約しておく

『他人の「品」見て、我が「品」直せ!』というのがこの本のキャッチフレーズです。

「上品な人、下品な人」山崎武也 著  PHP新書

『他人の「品」見て、我が「品」直せ!』というのがこの本のキャッチフレーズです。

以下抜粋です。
○計画性のない上司ほど忙しいという
○部下は上司の机から、だらしなさを読み取る
○高額の年俸を得て徹底的に倹約するドケチ
○威張りたいのは実力がない証拠
○窓口の人に八つ当たり
○店員を召使い扱い
○「うちの女の子に届けさせます」は禁句
○人をジロジロ見る(いやらしい!)
○乗り物で人を押しのけて「席」を手に入れ、「品」を失う
○いい年のオジサンの「タフガイ気取り」は下品
(気力・体力が充実していると思っているのは本人だけ)


うーん。醜い!私もいくつか当てはまっているかも。
気をつけたいものです。

「ダ・ヴィンチ・コード(上・中・下)」ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 角川文庫

 同名映画が5月20日に世界同時公開で話題になっています。主演はトム・ハンクスで監督はロン・ハワードです。ロン・ハワードは「アポロ13」「ビューティフル・マインド」を手がけています。私より上の世代の方は、「アメリカン・グラフティ」で高校生役(スチーブ)を演じた人、というイメージが強いと思います。

小説のほうは、単行本・文庫合わせて1000万部突破の大ベストセラーを記録しています。歴史や美術や宗教に興味がない方でも、ミステリーの謎解きを楽しめる内容になっています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」や「モナリザ」のいろんな仕掛けが書かれています。
梅雨の時期の休日に読むにはもってこいの本です。

「他人を見下す若者たち」速水敏彦著 講談社現代新書

 電車の中で20代のサラリーマンが、同僚に向かって「うちの会社は社長もバカでみんなバカばっかりだからなー」と言っていました。同僚も「そうなだよな」と、うなずいていました。
私はその会話を聞きながら「じゃ、そんな会社で働いているおまえたちはどうなんだよ!」とおもわずツッコミを入れたくなりました。
 今月紹介する本は「他人を見下す若者たち」です。本の帯には「自分以外はバカの時代」というのがキャッチフレーズです。

以下要約です。
『現在人は自分の体面を保つために、周囲の見知らぬ他者や実力を、いとも簡単に否定する。
そのような他者軽視をすることで、彼らは自分の肯定感を獲得することが可能になる。
一時的にせよ、自分に対する誇りを味わうことができる。これを仮想的有能感という。
他方、自分の過去経験の規定された自己評価の概念として自尊感情がある。
自尊感情は自分への満足感や自信を意味するものである。
それに対して仮想的有能感は自分の過去経験にまったく左右されない思い込みの自己評価といえる。
仮想的有能感の高まりが、若者たちの感情の持ち方(意欲、やる気等)に変化をもたらしている。』


 冒頭の20代のサラリーマンが自尊感情なのか仮想的有能感はわかりませんが、自分に甘く・他人の厳しい、すぐにキレる、「悪い」と思ってもあやまらない等の若者の感情は、仮想的有能感からくるもののようです。
皆さんの会社の若い社員は大丈夫ですか?

「国家の品格」藤原正彦著 新潮社

昨年11月に発行以来、すでに100万部を超えるベストセラーの本です。
タイトルが硬いので、買うのに二の足を踏むのですが、読んでみると、身近な例をとって解説して案外読みやすいです。

以下引用です。
『金銭至上主義に取り憑かれた日本人は、マネーゲームとしての、財力にまかせた法律すれすれのメディア買収を卑怯とも下品とも思わなくなった。
いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語より日本語、民主主義よりも武士道精神であり、それが、「国家の品格」を取り戻すことである。』
著者は会津藩の教えの「ならぬことはならぬもの」(問答無用)を引き合いにだし、本当に重要なことは、親や先生が幼いうちから押し付けないといけない、と論じています。


今の教育は親も先生も個性を重視し、人間としてのルールを教えていないような気がします。
先日、私立の電車通学の小学生が混んでる電車の中で、シルバーシートに堂々と座っている光景をみて、これって親の教育の問題なんだなーと、思いました。
職員岩野から特別コメント
会津は私の郷里ですが、よくおばあちゃんに「ならぬことは、絶対ならねーぞ!」と叱られました。
あまりにも懐かしい台詞で、しかも忘れかけていたおばあちゃんお顔まで思い出しました。
私もこの本は読まなければとおもいます。

「下流社会」三浦展著 光文社新書

以下引用です。

『階層格差が広がっているという。所得格差が広がり、そのために学力格差
が広がり、階層格差が固定化し、流動性を失っている。あるいは「希望格差」
も拡大している。こうした説がここ数年、多数発表された。それは、日本が今
までのような「中流社会」から「下流社会」に向かうこということである。
特に団塊ジュニア世代と呼ばれる現在の30代前半を中心とする若い世代の
「下流化」傾向が進んでいる。
「下流」とは単に所得が低いということだけでなく、能力や人生への意欲が
低いことである。

あなたの「下流度チェック」をチェックしてみましょう。

 1.年収が年齢の10倍未満だ
 2.その日その日を気楽に生きたいと思う
 3.自分らしく生きるのがよいと思う。
 4.好きなことだけして生きたい
 5.面倒くさがり、だらしない、出不精
 6.一人でいるのが好きだ
 7.地味で目立たない性格だ
 8.ファッションは自己流である
 9.食べることが面倒くさいと思うことがある
10.お菓子やファーストフードをよく食べる
11.一日中家でテレビゲームやインターネットをしてすごすことがよくある
12.未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上の方)

半分以上当てはまれるものがあれば、かなり「下流的」のようです。』

この問題は半年前に特集したフリーター・ニートの問題と関係しています。
下流の人ほど、「自分らしく生きたい」「将来のことを考えるより今の生活を楽しみたい」と考える人が多いようです。
アリとキリギリスの物語を読んでいる気分になります。
もう冬が来ているのにキリギリスは気がつかないのです。
長く厳しい冬が来ることを。

「 生協の白石さん」
 
 白石昌則著 講談社

今年に入っても売れ続けてるベストセラー本です。東京農工大の生協での
「ひとことカード」のやり取りを一冊の本にまとめたものです。学生からの問い
合わせや時には実現不可能な要望を、生協の白石さんは愛情あふれる心
でかつユーモアをおりまぜて回答しています。

以下引用です。
学生『単位がほしいです』
→白石さん『そうですか、単位ほしいですか。私は単車がほしいです。お互い、
頑張りましょう!』

学生『愛は売っていないのですか?』

→白石さん『どうやら、愛は非売品のようです。もし、どこかで販売していたと
したら、 それは何かの罠かと思われます。くれぐれもご注意ください。』

学生『あなたをください。白石さん』

→白石さん『私の家族にもこの話をしてみたのですが、「まだ譲る事はできない」

との事でした。言葉の端々に一抹の不安は感じさせるものの、まだ売られずに
ほっと胸を撫で下ろした次第です。といういう事で諸事情ご理解の上、どうぞご
容赦ください。』


秀逸な回答。恐るべし白石さん!見習いたいものです。

「功名が辻(1〜4) 」
  
司馬遼太郎著 文春文庫

ここ数年司馬遼太郎が私のマイブームになっています。40歳になるまで、
司馬遼太郎の本は一冊も読んだことがありませんでした。40歳を境に、
「新撰組(上・下)」「竜馬がゆく(1〜8)」「関が原(上・中・下)」「国取物語(1〜4)」
「太閤記(上・下)」と読み漁っています。
今月ご紹介する本は「功名が辻(1〜4)」です。
2006年1月スタートのNHK大河ドラマの原作本です。この本は、山内一豊と
その妻千代の出世物語です。山内一豊は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と
3代名将に仕え、ついに土佐の一国一城の主になりました。武功もさほどなく、
戦国の乱世を生き延びた処世術には学ぶべきことが多いです。

「ドラッガーが語るリーダーの心得 」
  小林薫著 青春出版社

 米経営学者ピーター・ドラッカー氏が11月11日に死去しました。
95歳でした。 ドラッカー氏は「現代経営学の父」と呼ばれ、変革する時代に
対応する戦略を持つ必要性を説きました。
以下引用です。


「効果的なリーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない」
「大局が見えないリーダーは、たいてい毎日の業務活動の捕虜になっている」
「成果をあげる人になるには、もっとも重要なことから始め、一時に一つのこと
だけ行え」
「本の中にあるのは情報のみである。知識とはそれらの情報を仕事や成果
に結びつける能力である」
「道楽息子に家業を継がせるな」
「たとえ一族だっても、任に堪えない人にはポストを絶対に与えてはいけない」

「関ヶ原(上中下) 」
  
司馬遼太郎著  新潮文庫

8月の衆議院解散総選挙、自民党の歴史的大勝を経て郵政民営化法案成立。
その後郵政民営化法案に反対した者に対する党の処分。この一連の流れの
中で、私は1600年の東軍と西軍にわかれて戦った「関ヶ原の合戦」を想い浮
かべました。


秀吉の養子でありながら西軍から東軍へ寝返った小早川秀秋は、
35万石から50万石へ加増された。西軍につきながら静観し続けた毛利輝元は、
領地没収され外様大名になった。信長、秀吉を支え、関ヶ原の合戦では家康
方についた山内一豊は、土佐20万石を貰い受けた。

歴史から学ぶことは多いと思います。

郵政民営化関連法案を「民意」を理由に反対から賛成に転じた議員の姿勢には
多い中、衆院採決で再び反対票を投じた平沼氏の弁。
「政治家としての出処進退を明確にする信念で青票(反対票)を投じた。ここで
豹変して賛成に転じることは、私を支持してくださった方々に申し訳ない。最終
的に一人だけ無所属になっても頑張る決意だ。」除名覚悟で政治家としての筋
を通す選択をした平沼氏に個人的には共感するものがあります。

「決断力 」
  
羽生義治著 角川ONEテーマ21

今月の一冊は、将棋棋士羽生義治氏の本です。羽生氏は将棋界始まって以来の7冠達成し、現在も4冠を保持しています。以下引用です。 

『これまで公式戦で千局以上の将棋を指してきて、一局の中で、直感によってパッと一目見て、「これが一番だろう」と閃いた手のほぼ、七割は正しい選択をしている。将棋ではたくさんの手が読めるのも大切だが、最初にファーカスを絞り、「これがよさそうな手だ」と絞り込めることが、最も大事だ。それは直感力であり、勘である。直感力は、それまでにいろんな経験し、培ってきたことが脳の無意識の領域に詰まっており、それが浮かび上がってくるものだ。』

もっと自分の直感を信じていいのですね。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
 山田真哉著 光文社新書

 お盆に岩手花巻へ帰省中、宮城沖地震がありました。
東京へ戻る新幹線が6時間(通常3時間15分)以上もかかり、暇つぶしに読んだのがこの本でした。
 この本は今年2月に出版され、すでに80万部を超え、現在でも売れ続けています。
公認会計士の先生が書いた本で、会計の本質的な考え方を日々の生活に転がっている「身近な疑問」から考えることによって学んでいこうというものです。

 さおだけ屋やベットタウンの高級フランス料理店、在庫だらけの自然食品店等を例にとって解説しています。さらに著者は数字に弱くても「数字のセンス」があればいいと述べています。
以下、引用です。

「50人ひとりが無料!キャッシュバックキャンペーン」ということは
別の表現でいうと、
「百人にふたり無料」である。
ということは、パーセンテージに直すと100分 の2、
つまり2%が無料
これを広告主の立場から見ると
「2%の割引」である。
「無料」という言葉や表現のインパクトなどに惑わずに、物事をキチンと数字で考えことができるかどうか、数字のセンスだ。
この
「別の表現でいっている」ことにすぐに気づくかどうかが、数字のセンスをもっているかどうかの境目となる。』


みなさんは数字のセンスありますか?(私はないですが。。。。) 
(2005年10月)

「大人の超メール術」
  
石原壮一郎著 青春出版社 

暑い日が続きますね。余りに暑く、頭がふやけそうです。今月はちょっと軽めの本を紹介します。これを読めば仕事力がアップすること間違いなしです。
軽いのりでお読みください。ただし、使うときは相手を間違えないようにしましょう。

○特別な配慮に対する感謝を示す場合
「感動のあまりメールの字が震えてしまいそうです」
○後輩に面倒な仕事を押し付ける場合
「○○をやらせたら新宿区で右にでるものはいないあなたに、ぜひ頼みたいことが」
新宿区を当社とか、うちの部署とかに置き換えてもOKです。
○どうでもいい仕事の出来をほめる
「匠の技とはこのことですね」
○上司の提案を適当にあしらう
「なるほど、一理あるっていう気がしますね」
○上司からの面倒な誘いを断る
「もし体がふたつあったら、ぜひご一緒したいのですが」
○社内行事への参加を辞退する
「遠くから見守っていたいと思います」
○取引先の大きなミスを許す
「いえいえ、武士は相身互いと申しますから」
○さりげなく返事を催促したいときに同じメールを再送
「私のパソコンにトラブルがあったようなので念のため」
○ウイルスメールを送ったことを謝る
「今度、風邪をひいたときには、ぜひ私にうつしてください」
この本の後半は恋愛編、友人&家族編もあります。ご興味のある方は一読をお勧めします。(2005年8月)

「人生の成功とは何か」
  
田坂 広志著 PHP研究所 

 現在多摩大学の教授であり、経営コンサルタントである田坂氏の最新作で、「なぜ、働くのか」「仕事の報酬とは何か」に続く第3弾。このメールマガジンでも前2作はご紹介いたしました。
 著者は人生を「勝者の思想」「達成の思想」「成長の思想」と3つに分けて論じています。
以下、本文より抜粋、要約です。

「勝者の思想」
「競争の勝者=人生の成功者」である。
勝者の定義とは「金と地位と名声」を得ること。
しかし、それは、根本的な問題に直面します。
「競争で勝者になれのは一握りの人間だけである」
「その競争に勝っ勝ったとしても、さらなる競争に勝ち続けなければならない」
それらの競争で勝ち続けたとしても、本当の喜びは得られない」
という問題に直面します。

「達成の思想」
「達成の思想」は他者との戦いではなく自己との戦いである。
しかし、「人生において、夢を実現できるとはかぎらない」
「人生において、目標を達成できるとはかぎらない」
なぜならば、人生には「努力」「才能」「境遇」に加えて「運」が必要だからである。

「成長の思想」
「成長の思想」は、人間として成長し、成長し続けることを人生の成功と考える思想です。
「成長の思想」とは、人生の苦労や困難といった出来事に遭遇したとき、それを「糧」にとすることができる思想です。
今日という一日を生きたとき、今日という一日の経験だけ、たしかな成長を遂げる。
「成長」とは、究極、「一日の成長」に他ならない。
人生はいつ終わるか分からない。
かけがいのない一日を生き、成長していくためには、どうすればよいか。
「一日を生き切る」
(感想)
新聞や雑誌で、「人生、成功するには」「勝ち組対負け組」「負け犬」といった言葉が氾濫しています。我々はそんな情報をまともに受け、混乱し、悩んでいます。
この本は田坂広志氏から、悩んでいる人たちへの暖かいメッセージです。
皆さん、世間の常識に振り回されることなく、自分らしく生きようではありませんか。
負け組でも負け犬でも、いいではありませんか。毎日を精一杯生きましょう。
(2005年7月)

「成功者の告白、5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語」
  神田 昌典著 講談社

 この本は、企業の成長段階ごとに起こる典型的な問題を、仕事と家庭の両面から捉えています。仕事と家庭の密接な関係を解明したという意味では画期的な本です。

 著者は成長段階を4つに分けて論じています。
@成功に向かって一歩踏み出し始める。この時期仕事は辛く、家庭は円満。
A仕事は好調、家庭で歪みが生じる。歪みは家族の一番弱いところ子供を通じて
 現れ始める。
B成功の最終目標への分かれ目。この時期は仕事は好調だが、人間関係で
 問題が勃発。家庭はお互いを期待しないことでバランスをとるあきらめムード。
C仕事と家庭にバランスの回復。仕事においては人を指導する立場へ脱皮。
 家庭においては主導権争いから相互依存への進歩。

 仕事が順調だと、夫婦関係が機能不全に陥る。
すると子供が夫婦仲を取り持とうとする。
子供は無意識に、家庭の場を無意識のうちに敏感に感じ取って、
親にとっても最適なカウンセラーになる。
子供はいい子か悪い子になろうとする。
いい子は、親の言うことを何でもよく聞き、優等生になることで、
家庭のヒーローになる。
いい子だなと周囲は思うけど、本人が一番傷ついている。
悪い子は暴力をふるったり、病気になったり、事故にあったりする。
そうすれば夫婦が協力して問題に立ち向かう。
こうして夫婦の絆を回復するように働きかける。
こういう感情のメカニズムがあるから、伸び盛りにさしかかった経営者や、
大企業でも出世コースに乗った人の家庭では、このような罠に陥る。
(2005年6月)

「これは使える!【図解】「できる人」の時間活用ノート」
  中谷彰宏著 PHP研究所

  昨年の5月にも中谷彰宏氏の本を紹介しましたが、好評なので、再度紹介します。

5分遅れは、1時間遅れよりも罪が重い
 待ち合わせで1時間遅れは、何かのっぴきならない事情が発生したのです。
 ところが、5分遅れてくる人は気の緩みです。
 原因は本人の心の問題です。
 5分ぐらいいいじゃないかという気分でいるような人は、一生、何をやっても
 出遅れます。

仕事を楽しむ発想に切り替える
 本当は労働時間の短縮化は、あまり意味がありません。
 本当にやらなければいけないことは、労働時間の自由化です。
 プラモデルをつくるのに時間がかかってしようがないと怒る人はいません。
 もしいたら、その人はプラモデルが好きではないです。
 義務でやっていることは、時間が短いほうがいい。しかし、権利で
 やっていることは、時間がかかったほうが、喜びは大きいのです。
 「1日何時間働かなければいかない」という発想を捨てることです。

スピードを上げれば、質も上がる
 カツ丼をもたもた食べたらおいしくない。あれは一気に食べるからおいしいのです。
 それと同じです。仕事をゆっくりやったほうが質のいいものができるというのは、
 結局はやる気のない人の言い訳です。

時間を創りだす唯一の原則、即断・即行動
 そのときの直感で決めているから、
 考えている時間は、そこの意味があるようで、何の意味もないのです。

力を抜くとスピードが出る。
 人間が動けないのは力が足りないからではだくて、
 力を抜いていないから。ブレーキから足を離せば動き出す。

「スピード」が売り物の当事務所にとって座右の書です。
(2005年5月)

「それでもなお、人を愛しなさい」
  ケント・M・キース著 大内博訳 早川書房

  この本に書かれている「逆説の十か条」はマザー・テレサも感動し、引用したものです。その中のいくつかを紹介します。

人は不合理で、分からず屋で、わがままな存在だ。
それでもなお、人を愛しなさい。


何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

成功すれば、うその友達と本物の敵を得ることになるだろう。
それでもなお、成功しなさい。

今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築きあげなさい。

人が本当に助けを必要としていても、
実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。

世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。
(2005年4月)

「「原因」と「結果」の法則」
   ジェームズ・アレン著 坂本貢一訳 サンマーク出版

  この本はイギリス生まれの哲学者、ジェームズ・アレンによって1902年に書
かれたもので、世界中で着実に売れ続けています。
日本でも2003年4月発売になり、大べストセラーを記録しています。
 以下引用です。

不注意な人間、無知な人間、怠け心を持つ人間は、表に表された「結果」だけに目を奪われ、その背後に存在する「原因」を見ようとしないために、あらゆる成功を、幸運、運命、あるいは偶然などという言葉で片付けようとしています。それらの人たちは、強い信念を維持し、数々の犠牲を払い、粘り強い努力を続けてきた人たちなのです。人間が達成するあらゆる成功が努力の結果です。そして、努力の大きさによって結果の大小が決定します。
 私たちは自分の思いは完璧にコントロールできます。穏やかな人間は、自分自身を正しくコントロールすることのできる人です。人間は、自分が思いによって創られた存在であることを理解すればするほど、より穏やかになります。原因と結果の観点からあらゆる現象はより正しく眺めることになることで、人間は不平を言い、いらだち、悩み、悲しむことをやめ、より落ち着いた、より安定した、より穏やかな心の状態を保てるようになります。
人間は、穏やかになればなるほど、より大きな成功、より大きな影響力、より大きな権威を手にできます。なぜならば人々は常に、冷静で穏やかに振舞う人間とのかかわりを好むものであるからです。
金銭的な富ばかりを追求している心は、穏やかな心と比べたとき、どんな見劣りがするでしょう。
【感 想】
 イギリスでは、釣りの聖書みたいなものがあって、その中に格言で「Study To Be Quiet!」(穏やかになることを学べ)というのがあります。短気で、いつも気が急いてばかりの私が、穏やかになるには遠く、長い道のりかもしれません。 はーーーっあ(ため息)。
(2005年3月)

「ニート」玄田有史・曲沼美恵著 幻冬舎

 先月はフリーターの本を紹介しました。今月はニートを紹介します。
この本は「ニート」関係の本で一番売れているようです。
ニートとは「not in education, employment, or training」の略です。
35歳未満で学校にも行かず、働かず、訓練も受けていない人をいいます。
2003年には40万人、一説によると70万人もいるようです。

平成17年1月28日夕刊(朝日新聞)の1面記事は「失業率4.4%に改善」でした。
(完全失業率=完全失業者/労働力人口)
失業率が下がったといって景気が良くなったと早合点してはいけません。
失業者は働く意思があり、求職活動をしている人です。
労働意欲のないニートは失業者の中には入りません。
統計上は非労働力人口(主婦や学生と同じ分類)になります。
労働力が減っているということです。
労働力が減ると国のGDPにも影響を及ぼします。
今やニートは「個人のやる気の問題」とか「親のせいだ」とか、
という単純な図式ではなく、学校や地域が本格的に取り組んでいかなければいけない
問題です。この本にその事例が書かれています。
ぜび、ご一読をおすすめします。
(2005年2月)

「フリーター亡国論」
  丸山俊著 ダイヤモンド社

以下、本からの抜粋です。
1.フリーターとは(国民生活白書の定義)2001年417万人
 「学生・主婦を除く15〜34歳の若年人口のうち、パート・アルバイト
 (派遣労働者を含む)及び働く意思のある無職の人」

2.フリーターの未来予想(若年人口に占めるフリーター比率)
  2001年 21.2% 10年 28.2% 20年 30.6% 30年 34.8% 
  40年 41.1% 50年 47.4%

3.フリーターの暮らし(正社員と比較して) 
 @ 所得 
   年収        正社員     384.5万円  フリーター  105万円
   高卒生涯賃金 正社員  2億1500万円 フリーター   5200万円
   大卒生涯賃金 正社員  2億7000万円 フリーター   4800万円  
   (なんと生涯賃金が2億2千万円!も違うのです)



 A 税金・保険料支払
  住民税   正社員    7万8800円 フリータ ー    8800円
  所得税   正社員  12万8800円  フリーター    8800円
  社保料   正社員  25万7300円  フリーター 15万9600円(?)
  消費税   正社員  12万3200円  フリーター  4万3200円

 B 年金支給(月)
         正社員   14万6000円 フリーター 6万6000円
        
 (国民年金支払っていなければ当然0円)

4.フリーターの社会的影響
    (フリーターが正社員のなれないことにより生じる損失)
 @ 税収の不足  
     消費税 4,082億円 住民税 3,072億円 所得税5,155億円
 A 保険料の不足 
     健保・年金保険料損失 18,424億円 雇用保険料 2,806億円
 B 消費の不足 
     消費損失 8.16兆円(日本名目GDP500兆円の1.6%に相当)

【私見】
 私が20代のころ「フリーター」のことを「プータロー」と呼んでいました。
「ローン」のことを「月賦」と呼んでいたように、時代によって言い方が変わり
ますが、本質は同じです。
 フリーターが増えるということは、国の経済的にマイナスが多いのは事実
のようです。ニーズがあるからフリーターがいるので、フリーターが悪いという
ことではありません。正社員とフリーターはアリとキリギリスの関係にたとえら
れます。個人にとってフリーターになることは、良いこととか悪いこととか、いう
ことではなく、結局は、人生の戦略の問題なのです。
いずれにしても、経済的に自立していればいいのではないかと思います。
(2005年1月)
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